セルフライナーノーツ
みなさんこんにちは。
Shikiのakariです。
先日デジタルリリースした「Seahorse / オレンジ」、もう聴いていただけましたか?
2025年Shiki最初のリリースということで、今年も無事に楽曲を届けることができて、ひとまずほっとしています。
せっかくなので、今回セルフライナーノーツを書いてみることにしました。
セルフライナーノーツは、2021年にリリースした2nd ALBUM「Hue」以来。
「ああ、最近はこんなふうに曲を作ってたんだな〜」と、気軽に読んでもらえたら嬉しいです。
Seahorse
「Seahorse」は、今年創立100周年を迎える肥後銀行のCMのために書き下ろした楽曲です。
熊本で暮らしていると、肥後銀行はとても身近な存在。
その大切な節目に音楽という形で関われるなんて・・・と、驚きと嬉しさでいっぱいでした。
それと同時に、「どんな曲になるんだろう?」というワクワクもありました。
私は、曲作りの過程でいつも最後までどうなるか分からないタイプで
完成して初めて、「ああ、こういう曲になったんだ!おめでとう!」と拍手したくなります(笑)
今回は、制作の初期段階で肥後銀行の皆さんと直接お話をさせていただく機会をいただき、
その中でもブランドスローガン「うるおいある未来のために。」という言葉をヒントに
まずは歌詞のないデモ制作からスタートしました。
難しく考え過ぎず、人(世代)や自然、そして“循環”をイメージしながら、
水の流れを感じるようにサウンドを重ねていきました。
のびのびと自由に制作させてもらえて、本当に感謝しています。
肥後銀行さん、創立100周年おめでとうございます!
そして歌詞が完成したあと、タイトルを「Seahorse」に決めました。
「Seahorse」=タツノオトシゴ、海馬
どこかの水族館で初めて見たときに神秘的な存在としてずっと印象に残っていたタツノオトシゴの姿、
いつか曲のタイトルにしたいと思っていたのを思い出したんです。
言葉を調べていくと人間の脳の一部に「海馬」というものがあることも知って、ビビビッときました。
新しい記憶の形成や短期記憶から長期記憶への移行に重要な役割を果たす、記憶の司令塔と呼ばれる場所。
歌詞に“記憶”という言葉がすでにあったこともあり、「これはもうこのタイトルしかない!」と迷いなく決めました。
“遠ざかるわ 記憶がほら 満たして宙に浮かんでたよ”
そして約3年ぶりとなるMVも公開しました。
監督・撮影・編集を手がけてくださったのは、中川典彌さん。
昨年、彼の初映画「ひとり」に出演させていただいたご縁で「いつかMVもお願いしたい」と思っていた夢が叶いました。
ロケ地は、山が阿蘇、海が戸馳島。熊本の自然の美しさに包まれながらの撮影でした。
阿蘇には1000年以上続いていると言われている「野焼き」という文化があります。
枯れた草を焼き払うことで新たな芽を促し、草原を再生するという循環の営み。
ちょうど阿蘇・大観峰はその野焼き後で、楽曲とリンクするのでは?と典彌さんから提案があり、
おおお...!となりました。(語彙力のなさ)
完成したMVは、まるで不思議な世界に連れて行ってくれるよう。
撮影のときは風もかなり強くて大変でしたが、それすら印象的なシーン変える典彌さんの手腕。さすがでした。
戸馳島・若宮海水浴場では、MV撮影とはまた別日にジャケットの撮影も行いました。
日の出前の霧の中を車で向かい、まるで夢の中にいるような感覚、その時にMVのイメージが湧いてきました。
冒頭は霧に包まれ、ラストにかけて晴れていくような・・・
ふんわり伝えただけなのに、Shikiらしい映像に仕上げてくれました。
中川典彌さん、そして撮影のサポートしてくれた白石友梨花さん、佐浦諒亮さん本当にありがとうございます!
オレンジ
「オレンジ」は、タレントのスザンヌさんとの出会いから生まれた楽曲です。
きっかけは、2023年11月に熊本・練兵町で行われたカフェ「Lyiine」の周年イベント。
私のソロのライブを偶然観てくださり、その後物販コーナーにも立ち寄ってCDを買ってくださいました。
最初は可愛い人がいるなあって思ってたら「ほ・・・本物だ・・・!」と、めちゃくちゃ緊張したのを覚えています(笑)
テレビで見て歌や踊りを真似してたあの頃の自分に教えてあげたい!いつか会えるよって!
そんなスザンヌさんが、熊本・河内にある「龍栄荘」という旅館を購入・リノベーションし、
新たなスポット「KAWACHI BASE -龍栄荘-」として生まれ変わらせるプロジェクトのテーマソングをShikiに・・・
と声をかけてくれました。
まだリノベ前の龍栄荘を案内してくれた時、これまでの龍栄荘のことや完成後のイメージを聞きながら
「ここからまた新しい物語が始まるんだ」と、私もすごくワクワクしたのを覚えています。
楽曲には河内らしさを感じるキーワードやみんなが歌えるフレーズなどの希望がありました。
河内といえばもちろん美味しいみかん。名産なのは知っていましたが、夕日がとても綺麗なのは初めて知りました。
実際に見に行かなきゃ!ということで、河内に向かったとある日、空はまさかのどんより・・・
半分諦めていたのですが、最初は曇っていた空がだんだんと晴れて、最後には美しい夕日が!
言葉にならないその光景に感動して、楽曲を作るときはいつもその光景を心に思い浮かべていました。
また、スザンヌさんがウクレレを弾けるとのことで、実家からウクレレを引っ張り出して
Shiki史上初!ウクレレを取り入れた楽曲が完成!
2024年12月21日のオープニングイベントでのライブでお披露目した「オレンジ」では
スザンヌさんとお母さんのキャサリンさんにウクレレを弾いてもらいました!感動!
そしてサビには、みんなが歌で参加できるようにと作ったフレーズ「ラーラーラー♪」を歌ってもらい、
心がポカポカと温まる最高な時間になりました。
今までたくさんの人に愛されてきた龍栄荘が、新たな姿でまた多くの人に愛される場所になりますように。
そんな願いを込めた1曲です!
イベントの最後には記念の花火が上がって、冬に見るのもいいな~今年ももう終わりか~と少ししんみりとした気持ちに。
2024年、音楽を通じて起こった出来事、人の優しさや歌う喜びを思い出しながら
また来年も再来年もこんなふうに心に残る時間を重ねていけたらいいなと思いました。
「KAWACHI BASE -龍栄荘-」は宿泊だけではなく、美味しいご飯やスイーツがカフェスペースで楽しめます!
ぜひ皆さんも遊びに行ってくださいね♪
▶︎KAWACHI BASE -龍栄荘- HP
人とのつながり、そして熊本への思いがぎゅっと詰まった2曲になりました。
この曲たちが生まれるきっかけをくれた肥後銀行さん、スザンヌさん、
そして制作に関わってくれたすべての方に、心から感謝しています!
このセルフライナーノーツは、曲ができるまでのことや、ちょっとした裏話を書いてみましたが
この解説に縛られず、心の赴くままに、自由に聴いてもらえたら嬉しいです。
そして、いつもマイペースなShikiをあたたかく見守ってくれるリスナーのみなさん。
あなたがいてくれることが、私の歌う力になっています。
本当にいつもありがとうございます!
akari



\2025/4/16 New Release/
熊本を拠点に活動するShikiが2025年4月16日に「Seahorse/オレンジ」を配信リリース。
今年創立100周年を迎える肥後銀行のCM楽曲として書き下ろした「Seahorse」は、人や自然との繋がりをテーマにした神秘的なサウンドが特徴。朝陽のような希望と新たな始まりを感じさせる楽曲に仕上がった。
また、タレント・スザンヌが熊本・河内に70年の歴史をもつ元旅館「龍栄荘」をリノベーションし話題の新スポットと生まれ変わった「KAWACHI BASE -龍栄荘-」。そのテーマソングとして
誕生した「オレンジ」は、河内の美しい夕日や特産品のみかん、集まる人々の笑顔をキーワードに、温かく親しみやすいポップソングとして完成させた。
朝と夕、それぞれの景色と想いを音楽に込めた2曲が、新たな節目を迎える人々の心にそっと寄り添う。